2019-01-01から1年間の記事一覧
西部劇には実在の人物をモデルにした作品が沢山ある。そういったモデルのうち最も有名なのはビリー・ザ・キッドとワイアット・アープであろう。それに匹敵する人気を誇るのがジェシー・ジェームズである。2008年にブラッド・ピット主演で『ジェシー・ジェー…
一番最初の西部劇は先日紹介したとおり1903年の『大列車強盗』であった。これは映画草創期の作品全般にいえることだが、ほとんどが短編で長くても60分くらいだった。1920年代終わりに映像と音声を同期した、いわゆるトーキーの長編が商業ベースに乗るように…
そもそも西部劇ってなんなのかというと、19世紀後半のアメリカ合衆国中西部を舞台にした映画だ。ほとんどは南北戦争後から1890年のフロンティア消滅宣言までを舞台にしている。 映画の黎明期から西部劇は制作されている、一番初めのは1903年の『大列車強盗』…
私が西部劇に関心をもったのは25年ほど前、高校1年生くらいであったろうか。黒歴史なのであまり言いたくはないのだが、当時は落合信彦にはまっていたのである。今は落合陽一氏のお父上ということのほうがよく知られているかもしれないが、最盛期の落合氏はも…
若さは特権とか最大の資産といわれるが、若者が得する時代もあれば損する時代もある。もちろん個体差も大きい。本書は個別の事情は脇において、一般的に若者が得であったのは昭和後期から昭和の終わりくらいで、現代は損する時代であるとする。そしてその画…
教育の効果についてさまざまな経済学的な研究を紹介する本。世の中にはこんなことを研究してる人もいるんだなあと感心した。まずは子供を褒美で釣るのはよいか? 結論は結果ではなくインプットにインセンティブを与えるべき。そしてそれは内的インセンティブ…
恋愛工学で有名な藤沢数希氏の主に離婚について書いた本。最近、知り合いが離婚騒動に巻き込まれたようで久しぶりに読み直したのだ。内容は離婚にまつわる婚姻費用、養育費、財産分与、慰謝料などの問題から始まる。離婚に関わったことのある人間なら誰でも…
若いころからラカンは避けて通ってきた。なんか用語が独特でわかりにくいから。しかし分析ツールというか、もののたとえとしてラカンを用いる本が多すぎて一回はあんちょこ本でもいいから触れておかないとなあってアラフォーにして思い至ったのである。いく…
新刊『物語は人生を救うのか』が話題の千野帽子さんの前著。けっこうおすすめされていたので読んだのだが、新刊に備えておさらい。平易に書かれていて、一気に読めるのに奥が深い。以下、ざっとして私の理解にもとづく感想文。一貫性を担保するものとしての…
なにやら例の隣の国とのゴタゴタがかつてないほどにエスカレートしているようなので積ん読になってた本書をようやっと読んだのである。知日派の韓国人(現在は日本国籍)である呉善花氏による韓国近代史の新書。おすすめしている人がけっこういたので買ったの…
ながらく恋愛系ブロガーとして活躍しておられる桐谷ヨウさんの女性向け恋愛指南書。凡百の恋愛本と異なり、コミュニケーション論といった趣があり、男性やすでに結婚している人たちにもおすすめできる一冊だ。なによりチャラさと優しさの同居した語り口がい…
本書は大ヒットした男性向け恋愛マニュアル『LOVE理論』の女性版である。対象は適齢期をすぎてしまったやや厳し目の女性のようだ。水野敬也さんらしい厳しくも楽しい語り口が本書の醍醐味で嫌味を感じることなくスイスイ読める。また男性目線で語られている…
会計や帳簿という観点から世界史(正確には西洋史だが)を見直すという非常に興味深い書物。多数の絵画を引用しており、楽しく読める。以下は読書ノート。 古代より会計がおこなわれていたが、ローマ皇帝アウグストゥスが帳簿を公開して自らの偉業を誇示した。…
佐川美術館に日本の名刀展見に行ってきた。むかし一瞬だけど刀剣乱舞やってて少し興味があったのだ。 刀剣乱舞とのコラボということだったが、とうらぶ要素は少なめ。 とりあえずたくさんの日本刀をこの目で見ることができて楽しかった。細かい違いとかはよ…
昨日くらいから著述家の瀧本哲史先生が亡くなられたという噂が流れていたが、どうやら本当のようだ。まだまだ活躍できる年齢での訃報を聞くたびにとても残念な気持ちになる。僕はかつて意識高かりしころ何冊か著作を買って読んだ。『僕は君たちに武器を配り…
ネオ・フレンチ・ノワールの巨匠オリヴィエ・マルシャルの新作『パリ、憎しみという名の罠』みた。倒産寸前の会社社長アントワーヌをブノワ・マジメルが演じる。多額の借金を抱えるアントワーヌは義父から子供の親権を渡すかわりに100万ユーロを与えるともち…
歴史に名を残す武術家イップ・マン(葉門)のドニー・イェンによる映画化シリーズ3作目。相変わらずドニー・イェンはかっこいいし、奥さん役の人はめちゃスタイルいいし、マイク・タイソン強すぎだ。なんといってもイップ・マンのライバルを演じたマックス・チ…
先月からAmazon Primeで独占配信されている海外テレビドラマの『ザ・ボーイズ』にはまってしまった。現在第一シーズン(全8話、各1時間程度)のみ配信されているが、すでに第2シーズンの配信も決定されているとのこと。舞台は現代のアメリカで、(どこかでみた…
昨年11月に金融商品取引法違反容疑などで逮捕され日産会長職を終われ、現在は保釈中のカルロス・ゴーン氏について、長らく自動車業界のジャーナリストをやってきた著者がえがく。戦前の日産コンツェルンを源流とする日産自動車は、戦後は独裁とクーデターを2…
著者らは世界銀行、ODAなどで途上国の開発にかかわるなかで、初期条件が異なれば処方箋も異なるという当たり前の事実をナラティブベースでつまり、新古典派などのモデルに依らずに語る。11カ国の物語は非常に多様でその意味がよくわかる。 経済発展は政治制…
私が初めてスターウォーズを見たのは5歳のときに『EP6 ジェダイの復讐』(いまは『ジェダイの帰還』)の封切りに父親に連れられて観に行ったときだ。ストーリーはよくわからなかったが、C3POやR2D2、ガジェットの質感、ライトセイバーの重力感のあるアクション…
今日はいろいろ疲れているので当たり障りないことでも。 僕はいわゆる表現の自由界隈とちがってある程度の表現規制はやむをえないと思う人間である。しかしどこまで規制されて、どこまで自由であるかの線引は極めて恣意的であり、おいそれと口に出せるもので…
7月のサービス開始早々にセキュリティガバガバのために不正使用が問題となった7payが9月末をもって終了するとのこと。7 & i ほどの大企業がこんなゆるゆるな管理をしていたのも驚きだが、SIerとして働いている友人たちの話から想像するとありえないことでは…
勉強すればするほどキモくなる、ノリが悪くなる、会話が成立し難くなる、モテなくなるという現象はラディカルにものを考える人間にとっては深刻な問題でである。 それの解決策が示されているとは言い難いけど、はっきり勉強したらキモくなると言い切ったのは…
イマニュエル・ウォーラーステイン『近代世界システム』の訳者として知られる川北稔氏の英国近代史概観。本書が書かれたのは1995年の阪神淡路大震災のあとくらい、つまりバブル崩壊が明確となる時期である。著者は19世紀末以降の大英帝国の衰退は20世紀末以…
ニー仏こと魚川祐司さんと、日本を代表する高僧であるところの藤田一照さんの対談。話し言葉主体なので読みやすいがけっして平易というはわけではない。作中で「 命令してコントロール する系の仏教と、「 感じて、ゆるす系」の仏教といった対比がたくさん出…
『いま世界の哲学者が考えていること』についてざっくり紹介する。内容は第1章以外は平易でブックガイドとしてまた世界で議論になっている事柄の見取り図としてよくできていると感じた。第1章は哲学・思想の潮流について、構造主義、ポストモダニズムについ…
久しぶりに松尾先生の本をお買い上げ。驚いたのは松尾先生がオリンピックが終わるころには完全雇用に至りインフレが始まるという極めて楽観的な見たてをしていること(これはもちろん消費税増税がされないという前提なのだが)。そしてそれは追加的な労働力…
アメリカのフェミニズム批判として著名な作品。どうして邦訳されないのかと思ってたが、アメリカのフェミニストあたまおかしすぎで、日本人にはちょっと参考にならんからだとわかった。アファーマティブ・アクションの名のもとに女子を優遇したり、ジェンダ…
ベストセラーになった自己啓発もの。 努力を継続することが大事ということが繰り返し繰り返し書いてある。 そのためには小さいときに課外活動、要は部活をすることが大事らしい。それもできれば2種類以上がいいらしい。本書で引用されている伝説的なクォータ…