さよなら独身貴族 西部劇編

西部劇、戦争映画、時代劇について書いていくブログ。たまに書評。

フレンチ・ノワールの新作『パリ、憎しみという名の罠』

ネオ・フレンチ・ノワールの巨匠オリヴィエ・マルシャルの新作『パリ、憎しみという名の罠』みた。倒産寸前の会社社長アントワーヌをブノワ・マジメルが演じる。多額の借金を抱えるアントワーヌは義父から子供の親権を渡すかわりに100万ユーロを与えるともちかけるが、アントワーヌはこれを断り、裏社会の男たちから借りる。それを元手に脱税で大儲けして、息子に親権も獲得、新しい恋人と新生活を始めるが、、、というお話。

このジャンルらしい重々しさ、男気にあふれており安心して楽しめる内容となっている。もう忙しくて楽しめるかどうかわからない映画を観るようなギャンブルする余裕ないんよね。見どころは息子への想いを捨てきれないために危ない橋を渡るブノワ・マジメルのかっこよさである。むかしの東映任侠映画の主人公的な仁義と実録路線の非情さをあわせもっていて最高である。