さよなら独身貴族 西部劇編

西部劇、戦争映画、時代劇について書いていくブログ。たまに書評。

瀧本哲史さんが亡くなられたとか

昨日くらいから著述家の瀧本哲史先生が亡くなられたという噂が流れていたが、どうやら本当のようだ。まだまだ活躍できる年齢での訃報を聞くたびにとても残念な気持ちになる。僕はかつて意識高かりしころ何冊か著作を買って読んだ。

『僕は君たちに武器を配りたい』タイトルがかっこいい。内容はインターネットとグローバル化で日本人の地位は危ういぞと脅しつつ、チャンスもあるぞと励ます本。まあお察しという感じだけど。二十歳くらいの時に読みたかった。最後の最後で英語だのITだのは奴隷の学問だと切って捨てて、教養が大事なんだといい切るのさすがだけどね。

この本は、最善解にたどりつくための思考方法としてディベートについて解説。変化の激しい時代だから自分で考えて結論をだすことが大事だと例によって無駄に危機感を煽るところから始まる。が、時間内にかならず結論を出すこと、究極の真実ではなく現時点での最適解をさがすようにするのが大事といったことは参考になる。さらにディベートの際の反論の立て方、メリットの3条件、デメリットの3条件などのくだりは面白かった。しかし残念なことにこれらが役に立つ機会はあまりなかった。

交渉思考は、ディベートで決断したことを実現するための交渉について解説。まずは指揮系統がトップダウンの組織は臨機応変な対応ができないと軽く煽ってくる。あるいはこれからは付加価値があるのは交渉をともなうものだけ、なぜならコンピューターは交渉ができないから、とも。
そしてなぜ交渉が重要かというと、自分ひとりでできることなんてたかが知れてるから、他人をまきこまないといけない。そのための合意を作り出すのが交渉ということ。事前準備が大事で、他の選択肢をもっておくこと、自分のなかで譲歩できることできないことを整理しておくこと。交渉にあたっては相手の話をたくさん聞いて、相手の譲歩できることできないことを把握する。相手にはこちらの譲歩できないポイントを理解させる。。。。てな感じで交渉術みたいなことが続く。これを若い頃に読んでいれば営業的なことから逃げる人生ではなかったのかもしれない。

以上、僕が過去に読んだ瀧本哲史先生の著作を紹介した。冥福をお祈りします。