さよなら独身貴族 西部劇編

西部劇、戦争映画、時代劇について書いていくブログ。たまに書評。

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ある意味西部劇を終わらせた問題作『ソルジャー・ブルー』

先日はアメリカ先住民に親和的な西部劇『小さな巨人』について紹介した。bosszaru21.hatenablog.com1970年製作の『ソルジャー・ブルー』もベトナム戦争におけるソンミ村虐殺事件への痛烈な批判である。題材は悪名高いサンドクリークの虐殺である。私がこれを…

プロインディアン映画の到達点『小さな巨人』

1970年製作の『小さな巨人』はアメリカ先住民の文化を好意的に取り上げる西部劇のひとつの到達点であるとともに、アメリカン・ニューシネマの傑作でもある。お話は121歳の老人ジャックの昔語りという形で始まる。少年のジャックは平原を家族とともに馬車で移…

西部劇の終わりを感じさせる『11人のカウボーイ』

今日は1971年製作の『11人のカウボーイ』の話をしよう。もう西部劇はジャンルとしては衰退に向かっていることが明白な時期であり、西部劇のスーパースターであるところのジョン・ウェインが途中で惨殺いうちょっと前ならありえない展開になることで有名な作…

ペキンパー&マックイーンの『ゲッタウェイ』は銃撃戦満載の逃亡劇ふうな西部劇だった

スティーブ・マックィーンはサム・ペキンパーと『ジュニア・ボナー』で素晴らしい仕事をした。興行的にはふるわなかったが、好事家の評価は高い。bosszaru21.hatenablog.com これに引き続き、これまたアクション映画の金字塔『ゲッタウェイ』でペキンパーと…

ペキンパー&マックイーンの『ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦』

サム・ペキンパー監督の『ジュニア・ボナー』は1970年ころのアリゾナ州を舞台にしており本来の意味での西部劇ではないけど、マックイーンつながりということで取り上げておこう。雰囲気としては『トム・ホーン』』と『砂漠の流れ者』をブレンドした感じかな…

スティーブ・マックィーンの実質的遺作『トム・ホーン』は優れた挽歌西部劇だった

さて前回に続いてスティーブ・マックィーンの西部劇にいきましょう。bosszaru21.hatenablog.com前回は1966年の『ネバダ・スミス』だったが、すでに神話の時代の西部劇と異なりインディアンは敬意を払うべき人々になりつつあった。『トム・ホーン』は1979年の…

スティーブ・マックィーンの数少ない西部劇でありプロインディアン映画の萌芽たる『ネバダ・スミス』

先日はせっかくスティーブ・マックィーン出演作を紹介したので続いてマックイーンでいこう。bosszaru21.hatenablog.com 『ネバダ・スミス』はマックイーン演じる主人公が、白人の父とインディアンの母を惨殺した3人の男を年単位で追い詰めるというものである…