さよなら独身貴族 西部劇編

西部劇、戦争映画、時代劇について書いていくブログ。たまに書評。

スティーブ・マックィーンの数少ない西部劇でありプロインディアン映画の萌芽たる『ネバダ・スミス』

先日はせっかくスティーブ・マックィーン出演作を紹介したので続いてマックイーンでいこう。

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ネバダ・スミス』はマックイーン演じる主人公が、白人の父とインディアンの母を惨殺した3人の男を年単位で追い詰めるというものである。母がインディアンなのでモカシンなどの小道具が要所要所で登場する。製作年は1966年で、この時期になるともはや先住民はただの襲ってくる人達だとか倒すべき相手だとかそういう描写はされなくなっている。途中で瀕死のマックイーンを看病するのはカイオワの娘である(おもっこ白人の女優であるが)。

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とにかくマックイーンがかっこいい。アクションもいいし、復讐への執念もいい。広大な湿地に囲まれた刑務所からの脱獄は後の『パピヨン』を思わせる。これだけタフな役柄を演じる二枚目俳優は当時はマックイーンのほかにありえなかったであろう。『大脱走』に続いて、『シンシナティ・キッド』、『砲艦サンパブロ』、『ブリット』と出演していたこの時期はマックイーンの人気絶頂期であった。

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またアーサー・ケネディカール・マルデンマーティン・ランドーの3悪人も好演。特にマルデンはさすがの貫禄である。