西部劇の終わりを感じさせる『11人のカウボーイ』
今日は1971年製作の『11人のカウボーイ』の話をしよう。もう西部劇はジャンルとしては衰退に向かっていることが明白な時期であり、西部劇のスーパースターであるところのジョン・ウェインが途中で惨殺いうちょっと前ならありえない展開になることで有名な作品だ。まあある種の挽歌西部劇といえよう。
ストーリーは、牧場主のウェインがキャトルドライブのために人手を探すのだが、近くで金鉱が出現したためにカウボーイが集まらない。そこでスリム・ピケンズの勧めで11人の少年を雇うことになる。ウェイン御大の指導のもと少年たちはたくましく成長し、400キロ先の街まで牛たちを運ぶのだ。
ところが金鉱であぶれた男たちが一行を付け狙い、ついにはジョン・ウェインは殺されてしまう。。。そして少年たちは復讐を誓うのであった。
本作に出演したウェインは、この後も『オレゴン魂』などいくつかの西部劇に出演する。そして1976年の『ラストシューティスト』で死を間近にしたガンマンを演じて亡くなるのである。
本作でウェインを葬るのはブルース・ダーン、酷薄かつ卑劣な人間を演じさせるとこの人の右に出るものはないという名バイプレイヤーだが、今は娘のローラ・ダーンのほうが有名か。
ペキンパー組の常連スリム・ピケンズは、ここでもいい感じのチョイ役を演じている。
少年の中で一番ませているスリムは、若き日のロバート・キャラダインだ。彼はほかの兄弟とともに、1980年代の数少ないまともな西部劇『ロング・ライダーズ』に出演し、ジェシー・ジェームズの仲間であるヤンガー兄弟を演じる。