さよなら独身貴族 西部劇編

西部劇、戦争映画、時代劇について書いていくブログ。たまに書評。

クリストファー・ノーラン『ダンケルク』見たんだ

ちょっと前に『ダンケルク』見た。

ドーバー海峡のフランス側のダンケルクに追い詰められた英仏連合軍を救出しようとする人々の話で、ウィンストン・チャーチルとも重なる題材である。



逃げ場のない海岸で独軍に肉薄される地上波は地獄であるが、戦闘機で旋回するスピットファイアのコックピットの中は静謐そのものであり、その対比がいい。

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また英国の港町から救出に向かう民間人たちも静かだ。
船乗りも戦闘機乗りも静かなのだが男気に溢れている。自分よりも大きなものに命を捧げるというのに。あるいは死を覚悟した人間とはそういったものなのかもしれない。

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時間が行ったり来たりするのもノーラン監督ならお手の物で安心してみていられる。特に混乱することもない。


もうこの歳になると過剰な演出の横行する映画を観るはしらけるし、それが私が邦画を観るのをやめてしまった理由の一つでもある。近年のイーストウッドのような静かだが、なにか迸るものがある作品が好きになってしまった。まあ単純に盛り上がれるアクション映画もいまだに大好きなので、無理やり感動させようとする演出が嫌いなだけなのだろう。



まったくどうでもいいが、50年前にフランスでダンケルクという映画が、ジャン・ポール・ベルモント主演で製作されている。原題はぜんぜんちがうけど、なんとなくこれも見てみたいなあと思ってしまった。