さよなら独身貴族 西部劇編

西部劇、戦争映画、時代劇について書いていくブログ。たまに書評。

水野敬也『スパルタ婚活塾』は30過ぎの婚活女性必読

本書は大ヒットした男性向け恋愛マニュアル『LOVE理論』の女性版である。対象は適齢期をすぎてしまったやや厳し目の女性のようだ。

水野敬也さんらしい厳しくも楽しい語り口が本書の醍醐味で嫌味を感じることなくスイスイ読める。また男性目線で語られていることが大事。女は女を口説いたことないから、女性による女性向けのアドバイスはだいたいマウンティングや自己満足に陥りがちなのである。

海外の恋愛古典や長く読まれている本の中には実際に使えるノウハウも載っている。しかし、これらの本は、女性読者に愛されたいがあまり、男のニーズを完全に無視している記述があり、「男の前でそんな行動をとったら一発NGの内容まで「使えるノウハウ」として紹介されているのである。
一方、本書は、そういった恋愛本とはまったく違った立場に立って書かれている。
本書は、モテる女とモテない女の違いを、男目線で研究した恋愛本なのだ。

内容は並行活動、おさわりのさせ方、男受けするファッション、実践的な出会いの増やし方、メールのやり方、セフレから本命に昇格するための禁断のセックス術、男を落とすための手料理、交際から結婚に至るのに必要なメンタリティ、結婚の迫り方、結婚に対する男の不安を軽減するための「婚前サービス」などなど。かつてこれほどまでに実践的、具体的な婚活マニュアルがあっただろうか(いや、ない)。たとえば結婚を切り出すタイミングについての記述をみてみよう。

セックスする前の男は何がなんでもセックスしたい状態なので、そのときに結婚を切り出されると「前向きに検討します」的な発言をついついしてしまう。しかもこのときに酒が入っていれば、男は間違いなく、前向きな発言をしてくる。男が女とセックスするために酒を必要とするように、女が男を結婚に落とし込む上でも酒は重要なアイテムなのである。
また、裏を返せば、セックスの後は絶対に結婚の話をしてはならない。

これはもう読むしかないだろう。そして迂闊に結婚にひきずりこまれたくない男性にも読んでおくことをおすすめする。