さよなら独身貴族 西部劇編

西部劇、戦争映画、時代劇について書いていくブログ。たまに書評。

Amazon Prime『ザ・ボーイズ』むちゃおもしろい

先月からAmazon Primeで独占配信されている海外テレビドラマの『ザ・ボーイズ』にはまってしまった。現在第一シーズン(全8話、各1時間程度)のみ配信されているが、すでに第2シーズンの配信も決定されているとのこと。

舞台は現代のアメリカで、(どこかでみたような)スーパーヒーローが普通に活躍して治安維持にあたっているという世界。ヒーローたちを管理、サポート、マーケティングするのがヴォート社で200名以上が在籍している。このうちザ・セブンと呼ばれる7人と社長マデリンが主たる登場人物だ。
そしてこのヒーローたちがギリシャ神話の神々以上に、見事に俗物で、せこくて、名誉欲が強い。会社もグローバルな株式会社なので、利益至上主義で非常にuglyだ。

ヒーローたちの能力はものすごいので活躍するとときに一般人を巻き込んでしまう。主人公ヒューイは恋人をそのコラテラル・ダメージにより失うのであるが、木っ端微塵になるシーンがめちゃくちゃショッキング。そうしてヒューイはヒーローやヴォート社に疑問を持つようになる。同じくヒーローたちに恨みをもつブッチャーと出会い、執拗に追求していくようになる。このグループがザ・ボーイズだ。

見どころは、まずヒーローやヴォート社の傍若無人である。セクハラ、パワハラ当たり前でこんなのお茶の間に流して大丈夫なのかとこちらが心配になる。幹部らは国防にも食い込もうとあれやこれやと無茶なことを繰り返す。ヒーローたちの間でも会社の利益至上主義にたいする感情が異なっており、そこから生じるドラマも面白い。

ポリコレ無視だけでなく、宗教保守にも手厳しい。ヴォート社はキリスト教原理主義団体とも関係をもっているのだが、ヒーローたちはここでも関わり方に温度差がありハラハラするドラマ展開に一役買っている。「神の言葉でゲイを治す」とかそんなこと言っていいのかみたいなセリフもある。

そして物語をスリリングにしているのは普通の人間が、超人的な能力を持つヒーローといかに戦うか知恵をしぼってあれやこれや奮闘するところである。もちろんグロやゴアも満載だ。そうしたハラハラ・ドキドキの上にさきに述べたポリコレ揶揄がトッピングされている。

まだ第1シーズンしか出ておらず全部で8時間ほどなのでたいした労力なく、無理なく見れる。いや、ストーリーはそれほど込み入っていないので一気にみてしまう可能性のほうが高いだろう。というか見てしまった。。。