さよなら独身貴族 西部劇編

西部劇、戦争映画、時代劇について書いていくブログ。たまに書評。

『リオ・ブラボー』あるいは西部劇と私のかかわり

私が西部劇に関心をもったのは25年ほど前、高校1年生くらいであったろうか。黒歴史なのであまり言いたくはないのだが、当時は落合信彦にはまっていたのである。今は落合陽一氏のお父上ということのほうがよく知られているかもしれないが、最盛期の落合氏はものすごい勢いで本を出しておられて、そのうちの少年時代に観た映画についての本を買ってしまったのだ。

上の2冊はたぶん同じ内容だと思われる。私が持っているのは上のやつ。
いろいろなジャンルの映画を紹介しておられたが特にジョン・ウェインとその主演映画『リオ・ブラボー』を絶賛されていた。
そのころ男子校で鬱々としていた私はこの見るからに男臭そうな映画がとても気になってしまい、よせばいいのに近所のTSUTAYAに借りに行ってしまったのである。そして『リオ・ブラボー』はそれなりに有名な作品なのでちゃんと置いてあったのだ。これが僕と西部劇のお付き合いの始まりだった。映画は今まで3000本近くみたがその1割は西部劇なんてことになるとはその時は知るはずもなかった。

ハワード・ホークスジョン・ウェインが傑作(であるが妙にジメジメしている)『真昼の決闘』へのアンチテーゼとして夜に送り出したのが本作だ。そもそも『真昼の決闘』が西部劇へのアンチテーゼなので、アンチテーゼのアンチテーゼは正統派になるほかないのである。ストーリーは、ジョン・ウェイン演じる保安官は殺人犯を捕らえるが、悪者の兄が釈放しないとひどいことするぞと脅す、保安官の味方はアル中の助手、片足の不自由な老人、向こう見ずな若者だけ。悪者たちは孤立する保安官らを追い詰めていく、、、というどこにでも転がっていそうなものだ。しかしジョン・ウェインと仲間たちの掛け合いは楽しく、アクションは流れるようでとてもかっこいい。そしてさっき挙げるのを忘れていたけど、紅一点のアンジー・ディッキンソンもいい。

とりあえず西部劇の古典を観てみたいが、どれから始めたらいいかわからないという人におすすめしたい一本だ。これを観て面白いと思えないならこのジャンルとは縁がない(かもしれないけど、今後いろいろおすすめ作品を紹介していくのでよろしくおねがいします)。