さよなら独身貴族 西部劇編

西部劇、戦争映画、時代劇について書いていくブログ。たまに書評。

ジョン・フォード騎兵隊三部作の二本目『黄色いリボン』

さて先日のアパッチ砦に続いて騎兵隊三部作いってみよう。

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本日は『黄色いリボン』である。ストーリーは退役まで残すところ6日となったジョン・ウェイン演じるネイサン中尉を描くものである。
リトルビッグホーンの戦いで第7騎兵隊を破り勢いに乗るインディアンの連合軍の討伐および、駐屯地の司令官の妻と姪を駅馬車の中継地まで送り届けるという任務をネイサン中尉は与えられる。部隊を率いて中継駅に向かうが、途中で1000人規模のインディアンに狙われていることを知り計画の変更を余儀なくされる。数日遅れで中継駅に到着するも、すでに駅は破壊されているのであった。やむなく駐屯地に引き返し、そこで退役の日を迎えることになるのであるが。。。

ジョン・フォードらしく荒野の移動の景色が美しい。また途中で遭遇するバッファローの大群も圧巻である(にせものだろうけど)。そして司令官の姪を演じるジョン・ドリリューの美貌は往年のハリウッドの良さを思い出させてくれる。ドリューをめぐって若い士官たちが争うのも微笑ましく、それを暖かく見守るウェインと中年の下士官たりの視線の優しさにもほっこりするのであった。なお題名の黄色いリボンとは、ドリューのつけている黄色いリボンのことである。軍服とあいまって凛々しさ百倍である。

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こういった軍隊特有の親密感は前作と同様であるし、ウェインの退役にあたって退院から贈り物が渡されるシーンなどじーんとくるのだ。

そして最大の見所は本作が実質的なデビュー作であるベン・ジョンソンである。ガチのロデオチャンプであり、数え切れないほどの西部劇に出演したベン・ジョンソン、本作では単騎斥候に出たところ、インディアンの部隊に発見されて逃走する。このときの身のこなし、手綱さばきがメチャクチャかっこいいのだ。

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すごく特別な作品というわけではないが、ジョン・フォードらしい秀作である。これもアマゾン・プライム会員ならただで見ることができる。