さよなら独身貴族 西部劇編

西部劇、戦争映画、時代劇について書いていくブログ。たまに書評。

ジョン・スタージェスの小品『六番目の男』

先日は悪人顔の代表格リチャード・ウィドマークによるプロインディアンな西部劇を紹介した。

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というわけで続けてウィドマークの出演作について書いてみる。ちなみにインディアンもでてくるよ。
ヒラバレーという谷でかつて5人の白人がアパッチ族に襲撃され亡くなった。ウィドマークは6番目の男が父を殺し金を奪って逃げたと考えており、その6番目の男を追っている。そこに謎の美女ドナ・リードが現れる。彼女の夫は殺された5人の1人で金の分け前を求めてやってきた。二人は保安官事務所、交易所など手掛かりを追っていくのだが、、、

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数々の傑作を撮ってきたジョン・スタージェスの作品の中ではかなり地味。ミステリー風味で話は二転三転するのだが、プロットが複雑ではないので変にハラハラすることなくさらっと見れるのがいい。スタージェスらしい爽快なアクションは、アパッチ族に襲撃されるシーンで見られる。ウィドマークは馬で駆けながら、疾走する駅馬車に飛び移る。めちゃかっこいい。ちなみにアパッチ族はただの襲ってくる人たちであり、1950年代のインディアンはだいたいそんな扱いなんである。

リチャード・ウィドマークも色々な西部劇に出ているし、『ワーロック』や『アラモ』は傑作といっていいが、ヘンリー・フォンダジョン・ウェインといった大スターの脇役っぽさがあってややもったいない。本当の意味で主演といえるのは本作と『襲われた幌馬車』くらいである。

悪の大物を演じるジョン・マッキンタイアはさすがの貫禄。世間的には『サイコ』の保安官のおっさんだろうが、西部劇では名バイプレイヤーとして知られている。『馬上の二人』や『ウィンチェスター銃'73』なんかはまた言及する機会もあるだろう。

ドナ・リードは『素晴らしき哉、人生!』くらいしか見たことなかったが、非常に美しく物語にアクセントを与えている。無意味に服を脱いだり胸を押し付けたりしてウィドマークを看護する場面はセクシーすぎた。